NOBIRUKAI

ノビブロ

2023年11月02日

親子の育ち合い

二日間にわたる入園考査には、多くの家族が緊張感を纏いながら幼稚園へ訪れてくれました。子ども達と試験とは名ばかりの遊びを通したコミュニケーションを展開しますが、やはり不慣れな環境に戸惑うのは皆同じ。普段と異なるカチコチの親の様子からも、子どもの態度は硬化したり弾けたりしたことでしょう。夫婦同道を原則とした親子面接も、どこかぴりっとした空気を漂わせます。面接を終えれば後は帰るだけ。親にも子にも、ほっとした安堵感が滲み出てきます。この一連の手間のかかるプロセスが良いのですね。幼稚園を休業日にしてでも、一生一度の価値があります。

一般的な幼稚園では、入園願書を受け付けるだけで終了。面接はあっても、基本的にはクラス編成のために子どもの普段の様子や発達段階をヒアリングして終わる所が多いのでしょう。改めて比較すると、伸びる会幼稚園の入園考査には恐ろしく手間暇をかけられていることが分かります。これは、単なる合否結果で入園者を選抜する作業ではないのです。親子が入園考査へ向けて心を揃えて準備することや、親子共に緊張感を持って当日やり遂げた達成感を共有すること、互いに労をねぎらって努力や成果を称え合うこと、親が子どものために惜しみなく有給休暇を消化することまで、全て親子の育ち合いのために行っている教育活動です。こうした経験から、親はまた一歩親として成長し、幼子は親の姿を見て察する。だからこそ、この就園前の時期にまであえてテマとヒマをかけているのです。

次年度の入園を希望するにあたって、多くの幼児保護者が絶大な熱量を向けてくださいました。その純粋で強い気持ちをとても有り難く、嬉しく感じています。私たちの熱量に対して、それ以上の熱量をもって応えようとしてくれる家族の皆様と、より一層豊かで幸せな子育てをしていきたいと心から願います。素敵なご縁をいただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

(園長)